たとえば、すらりと伸びた少年の人形の爪先みたいに逃げ出す機会をうかがってガラスの目を静かに光らせているもの。

という話をしようとしたけれどもなんか違うのでやめ。淡翁荘のシモンドールはきっと真夜中に内緒ばなしをしているにちがいない、と妄想しながら私は昼間にニヤニヤしながら訪問するのです。今年はまだ行けてないなあ。一年に一回は電車にゆられて行く場所です。なんだか急に恋しくなっちゃった。シモンさんに寄せた渋澤さんの文章も展示されているのですよ。階段を昇っていったらいくと現れる天使だったり、大きな男の方だったり、隠し部屋の少女がいたり。冬になる前にまた行きたいな。