雨。どうしても、こおろぎ嬢が読みたくなり帰宅後は本棚へ。短いのであっという間に読みお終える。年に何回かこおろぎ嬢ブームがやってくるのです。流れで歩行も読む。そうだった。わたしは映画館の幕の上や図書館の机の上のほうが住み心地の宜しい女の子だった。ごくふつうの恋より幸田氏のような物語の朗読の相手になることを望んでいるような子だった。いつのまにか時間は流れて。幕の上どころか裏側にいるようになってしまった。朗読のお相手をしてくれるような人が何処にもいないことを知った。残酷すぎる。こっちの頭は長いこと停止していたんだった。わたしの思うようにはいかないもの。分かりやすいのはすぐに解ってもらえるけれど。ときどき幕間から女の子が手招きしている気分になる。